能×ファッション
続
石川県の伝統文化・伝統芸能に馴染みのない人たちにも知って貰いたい
服を通して興味を持ち知るきっかけとなって欲しい
これからも伝統文化が長く愛されるものとなって欲しい
属
石川県にゆかりのある人
石川県に住んでいる人
ZOKU
Concept
私達と同じくらいの世代に響き、印象に残るような
モダンでスタイリッシュなモノトーン配色と
能装束の要素を掛け合わせたデザイン。
Theme
“橋掛かり”
まだ加賀宝生を知らない人たち
触れたことのない人たちと能に携わっている人たちの
伝統芸能をこれからも継承していきたいという想いを繋ぐ作品。
Movie
能History
能は奈良、平安時代から庶民の間で親しまれてきた歌や舞が集大成されたもので、鎌倉時代後期から室町時代前期に盛んであったと言われています。庶民の芸事が禅宗や水墨画などの影響を受け、幕府や貴族の保護で段々と洗練されていきました。
能には「能楽五流派(のうがくごりゅうは)」と呼ばれる5つの流派があり、
石川県の伝統芸能である加賀宝生は宝生流と言われる流派です。
かんぜ
ほうしょう
こんぱる
こんごう
きた
観世流 宝生流 金春流 金剛流 喜多流
江戸時代にこの地を治めていた加賀藩の第五代藩主・前田綱紀が宝生流の能楽を奨励したのが始まりとされています。加賀藩では江戸時代を通じて宝生流の能楽を保護していましたが、明治維新により藩の後ろ盾がなくなったため一時廃れてしまいました。しかし、民間の実業家などの努力で再興され、明治34年には金沢能楽堂が設立され、毎月定例能が開催されるようになりました。
加賀宝生History
加賀宝生は昭和25年に金沢市の無形文化財に指定され、令和になった今でも長く続いています。
加賀宝生の力強さと根強さ
Textile
ジャカード織りとは、絵が浮き上がるような織り方で作った織物のこと。
ジャカード織りの柄はプリントなどと比べて、立体感や高級感があるのが特徴でカーテンやタオル、バッグなど、幅広いアイテムに使用されている。
Decoration
箔プリント加工
能装束の特徴である豪華さや舞台上で映える煌びやかさ、加賀宝生の根強く力強い舞台の中にある繊細で美しいところを表現するため、箔プリントを施した。
やくしゃ
役者文様
七宝文様
しっぽう
露紐-tsuyuhimo-
つゆひも
露紐とは
広袖の装束の袖下に付けた紐の、
床に着くほどに垂らした部分のこと。
帯-obi-
着物などに実際に使われていた帯を
サッシュベルト風にアレンジ。
帯なのに帯らしくないを追求した。
Styling point
インナーには黒のオーガンジーを使用し、ジャカードの固くハリのある生地とオーガンジーの柔らかい生地との組み合わせ。ドレッシーなドレープ感のあるインナーとサッシュベルト風にアレンジした帯や肩を落とした抜け感のある着こなしで現代ファッションの要素を取り入れた。
能装束の1種で、男役に用いる広袖の表着である狩衣をベースにした羽織とレザーパンツのスタイリング。強度に優れ高級感のあるレザー生地で加賀宝生の根強さや力強さ、七宝柄の箔や切り替え部分のプリーツで豪華さ表現している。
キルト芯を使用したボリューム感のあるベストをレイヤードしたスタイリング。能装束の括り袴の1種である指貫を参考にしたパンツは7分丈のデザインで現代的なイメージに。ベストには役者文様の箔で豪華さを表現している。
Hair&make
Jacquard weave
Look
Summary
私達もはじめは石川県で生活しながらも伝統芸能である加賀宝生に馴染みのない若者の1人でした。しかし、何も知らなかった私たちが今回のZOKUでの活動をきっかけに加賀宝生に興味を持ち作品に取り入れたように、私達の作品が同じような年代の人に1人でも多く加賀宝生に興味を持つきっかけになればと思います。
小さなきっかけが様々な思いを含み、広まっていく事で新たな繋がりが生まれ、豊かになっていくのだと思います。
Designer
今回、能×ファッションをコンセプトに作品を制作するにあたって、能について調べ、能は石川県民にとても大切にされていると感じました。
卒業作品を通して、学校内外で積極的に行動できたり、3人で協力して制作作業などを行なって、人として大きく成長できたと感じます。この経験をこれからの人生で大切にしていきます。
@i_am_not_suzuki
Iwata Ryou
最後の作品として全力を尽くして作品を制作することができました。ZOKUを通して伝統芸能に触れ、沢山の方々にご協力して頂き実際に足を運ぶことの大切さ、その他にも多くの学びを得ることが出来ました。テーマにもある通りこの作品が多くの人たちを繋ぐ「橋掛かり」となれば嬉しいです。沢山の学びを吸収してそれらを多くの場面で使える様な人間になりたいと思います。
@_____.moeno
Takeyama Moeno
自分達で1から考え、行動に移すこと、実際に足を運び本物に触れること、グループワークの中でそれぞれの知識や発想を共有しながら1つの目標に向かって努力することでより良いものづくりができると言うことに気づき、学ぶことが出来ました。加賀宝生と言う素敵な伝統芸能に触れ、2年間の集大成となる作品を基礎科のメンバーと制作することが出来、素晴らしい経験と思い出になりました。
@hne0525
Fujita Hanae